No.425(2006.5)

出版社の責任:誤植】

本に誤植はつきものである。とは言うものの、書評で「本書には誤植がかなり目立った」と書かれるようでは、ちょっと問題である(岩田書院の本の話です)。
 岩田書院では、@原稿を印刷所に入れる前に、外部の編集者に依頼して原稿のチェックと割付をしてもらっている。A最近の原稿はほとんどデータでもらえるので、初校は著者校正のみで、印刷所に戻す前に私がチェックするが、全部を読むわけではない。B再校がでたら、また外部の編集者に依頼して、初校の赤字照合と全体の素読みをしてもらう。それを著者に送る(これで著者校正は最後)。著者校が戻ってきたら、印刷所に戻す前に私がチェックする。C3校は、再校の赤字が多い場合は、もう一度著者に回す。赤字が少ない場合は、こちらで赤字照合をして、責了で戻して、印刷にかかる。
 これだけの工程をふむわけだが、その間に、2回は外部の編集者(校正者)に仕事を依頼して、校正料を払っているのだが(ページ数にもよるが、1冊について15〜25万円くらいの経費をかけている)、これで誤植が多いとなると、どうしたらよいのだろうか。
 校正者の質の問題か、もう1工程ふやして校正の回数を増やすか(時間と経費が更にかかる)、私が もっとしっかり読まないといけないのか(それが当然だろうが)、今の出版点数と今の売上げでは、これ以上のことはむずかしいのだが、どうする…。
 誤植は、出版社のレベルを如実に示す。その程度の出版社だ と思われてしまう(現実 に、そうなのだから仕方がないのだが)。あ〜あ。