No.410(2006.1)

新年のご挨拶】

 あけまして おめでとう ございます。ここ数年、年賀状を出すのをやめてしまいましたので、この「裏だより」で、ご挨拶にかえさせていただきます。
 昨2005年は、新刊点数66点で、創立13年にして過去最高、それに伴い、売上高も1億2000万円を超えました。しかし、作った割には売れていなくて、印刷所への未払い金が大幅に増えてしまい、経営を圧迫しています。これだけ新刊をだすと、毎月くる請求書の額も半端じゃありません。
 その割に、私に逼迫感がないのは、“なれ”もありますが、印刷所を分散させたため、1社あたりの未払い金が少なくなったためかもしれません(笑)。1社で1000万円だったものが、3社で各500万円になっただけで、総額では増えているのにね…。
 でもお蔭様で、昨年の新刊の中で、年内に品切れ・増刷になったものが3点ありました(「学芸員の仕事」「都市の祭礼」「博覧会の時代」)。しかし、原価回収の見込みがたたないものもあります。総じて新刊を作り過ぎです。
 ここで、岩田書院のことをあまりご存じでない方のために。岩田書院は私1人です。アルバイトを1人使って、編集作業は複数の外部の編集スタッフに頼んで、在庫管理と発送業務は倉庫会社に任せています。そうしなければ、1人でこれだけの点数をだすことは不可能です。これだけの生産性を誇る?岩田書院でも、利益がでてこない。
 こういう業種なんですねえ、ここは…。でも1人でもできる。今年も「ひとり出版社岩田書院」は、ひたすら本を作り続けます。愚直に。それしかできないから。