No.395(2005.09)

50%OFFの誘惑

 前回のDMに「文献出版在庫最終処分セール」を入れた。岩田書院の新刊も6点入れているのだが、注文は文献出版に集中した感じがする。ということは、5割引にすれば売れる、ということである。逆にいうと、5割引にしなきゃ売れない、ということか。
 岩田書院も 在庫は、それこそ「売るほどある」。こうなると、5割引にして売上げを伸ばしたいという欲求にかられる。いっそのこと、2倍の定価をつけて5割引で売ろうか、という黒い気持ちもでてくる。でも、自分で定価を崩したら、出版社の定価設定の規準そのものが疑われてしまう。
 専門書の定価は高い、でも仕方がない、と著者・読者が了解してくれているのは、実際に仕方がないのだろう、と思ってくれているからであって、それが割引販売が常態になったら、いままでの「定価」は何なんだ、ということになる。そんな定価設定をしていない以上、割引販売はできない、という理論になる。でも、背に腹は代えられない、という時もあって、(ぶつぶつ…)。