No.366  2005年4月

新刊書3割引の怪 

 以前から気になっていたのだが、古本屋さんで新刊が3割引で売られている。一般書のことではなくて、岩田書院の本も含めた日本史・民俗学の専門書のことである。これは、問題である。岩田書院に限っていうと、そのルートは不明。小社の場合は、取次店に67%で卸しているので、そこを通す限り、3割引で販売するためには、赤字で売っているとしか考えられない。しかし、いくら古本屋さんとは言え、そんなことをするとは思えない。
 製本屋さんが予備の本を横流しすることはないので、書評依頼で送った本が流れたとか、著者が献本した本が古本屋さんに持ち込まれたとか、いくつか可能性がないことはないのだが…。どうもよく判らない。ただ、岩田書院の本は、数としては、ほとんど出回っていない。
 この業界では、著者は、その出版社の本を2割引で買えるのだが、それより安く出回るというのは、やはり、よく判らない。だれか、その古本屋さんに聞いてみてくれないかなあ。どうやって仕入れるのかを。
 ちなみに、古本屋さんで新刊が1割引きで売られているのは不思議ではない。古本屋さんは再版制に規制されないので、自分の利幅を下げればいいのだから。



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