No.333  2004年8月

何かが違ってきた

 今年の売上げが、ここまでで、前年比マイナス1000万円である。新刊点数は去年より既に10点ほど多いにもかかわらず、である。と言っても、前半までは、助成金があったり、著者の買上げがあったりで、なんとか資金が続いていたのだが、春に作った新刊がいずれもページ数が多かったため、制作費が一気に膨らんで、それに対して売上げが伸びずに、急に状況が悪くなってきた。
 いままでは、定価の高い本を、部数を絞って発行して、確実に採算をとることと、その1点あたりの利益は少ないが点数を多くだすこととによって、年間の維持費を生み出すということで、なんとかやってきた。
 しかし、それが逆に作用すると、多く出せば出すほど、マイナスが拡大することになる。新刊を作っても、売れない。いままでも売れなかった。でも再生産できるくらいの売上げはあがっていた。だから、年間40点の新刊を維持できていた。
 それが、ぎりぎりの出版点数だったのかもしれない。今年になって、そのバランスを超えてしまったのかもしれない。それが1点あたりの採算割れを引き起こし、それが、マイナスの集積になって、一気にたまってしまったのかもしれない。
 繰り返しになるが、いままでは、点数を多くつくることによって、なんとか維持できていた。ただしそれは、1点あたりの利益が、限りなくゼロに近くなっても、マイナスではない、という前提のもとである。これがマイナス基調になると、点数を多くつくることは、非常に危険なことになる。忙しい思いをして、赤字を拡大再生産していることになる。これは、まずい。
 売上げがマイナス1000万円といっても、年商1億円が9000万円に落ちてもなんとか維持できるのだか、それが更に1000万円さがって、しかも経費が増えていると、バランスが急に悪くなる。いままでが、微妙なバランスのうえに成り立っていたことが、よくわかる(今頃になって、気が付いたりして…。遅いか)。
 今年の後半も、新刊点数は前半以上のハイペースである。はたして、もつのか?。売上げが追いつくのか?。やってみなければ判らないが、いや〜な予感がする。
 いままで順調にきていただけに、ここはきつい。私、打たれ強くはないのです。印刷屋さんからの支払いの督促がきつくなると、急に弱気になってしまうのです。凹んでしまいます。でも、仕事だけはなんとかこなしてないとね。出版社は本を作るのが仕事だから。いつになく(いつもか?)、長〜く、暗〜い、愚痴になってしまいました。
 これだけの文章のなかに「マイナス」が6回もでてくる。我ながら、結構、こたえてるなあ。


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