No.1055(2018.10)

【「論集 戦国大名と国衆」完結に】

 突然ですが、今回の21「真田信之・信繁」をもって、このシリーズを完結とします。
 理由は、売れないから。と言ってしまっては身も蓋もないですね。企画趣旨と、需要と体裁・価格・部数とが合わなかったから、と言い換えましょう。発行部数を 300部以下にして、上製本で、定価も7000円〜8000円くらいにすれば採算が合ったかもしれない。
 あと、同じような企画が他社でも出るようになったことも大きい。もちろん、対象とする大名・国衆が違うのだから、影響がないと言えばないのだが、私の気持ちの問題。なにも岩田書院じゃなくてもいいじゃないか、と思ってしまったら、正直言って、出し続ける気持ちが涌いてこない。
 あとは、これで儲かってる(儲けてる)と思われるのもしゃくだしね。この企画、既発表論文を再録させてもらっているのだが、その執筆者には印税・原稿料ナシ、出来上がった本を1冊献本するだけ。編者は再録論文の選択をして、総論の執筆をして、岩田書院からもらえるのは献本5冊だけ。おまけに、執筆者で連絡の取れない方を探してもらったりしている。編者は、本が出来れば、お世話になった方に献本しなくてはならないし、その分は岩田書院から買うわけだから、本を出すとお金も出すことになるわけで、いいことはない。
 こうやってるなら儲かるでしょ、と思うかもしれない。でも、儲かってたら、ここで刊行を中止しないよね、普通は。あっ、岩田書院は普通じゃないか。(笑)