No321  2004年6月

悪事の顛末

 覚えておいでだろうか。高槻の某のことを…。2002年9月の「裏だより」に登場した某は、出版社に電話をしては、高価な本を送らせて、それを古本屋に売り飛ばしていた男。金額は1万円から3万円あたりまでで、このあたりが「最適」な金額かも…。
 岩田書院は、幸いにして被害に遭わなかったのだが、実際に被害にあった出版社が、この「裏だより」の記事をみて、私のところに電話してきた。そこから、事態は動き出した。
 他にも被害にあっている出版社があるはずだということで、調べた結果、地元の大阪の出版社も含めて、数社を確認できた。実際に、某の住んでいるアパートに行ってもらったり、腰の重い警察を相手に、告訴の手続きをしたりして、ようやく犯人逮捕。
 某は、岡田泰麿、53歳、無銭飲食による前科3犯。本は古本屋に売ったと供述。
 でも、ここまでやるのは結構なエネルギーがいる。いえ、某のことではなく、出版社側のことである。何度も警察に足を運んだり、実際に某のアパートまで乗り込んだり、関係の出版社と連絡をとったり、ということをしないと、逮捕はできなかった。このために奔走してくれた風行社・創文社・大阪大学出版会のみなさん、売った本もお金も戻ってこないけど、まずは、これで良しとしましょうね。あっ、会社名をだしてしまいましたが、よかったですよね。


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