No318  2004年6月

読者はどこにいたの

 前回の続きです。売れたという学会は、日本アーカイヴズ学会の設立大会、参加者は200〜300人。顔ぶれは、日本史研究者・文書館関係者が基本だと思う。そのうちのかなりの方は、歴史学研究会や日本史研究会、全史料協、などに属していると思っていた。だとすると、いままで、機会があるたびに本を売りに行っていたし、DMも毎月8000通近くだしているし、岩田書院の本については、認知されていると思っていた。
 ところが、学会の当日に「岩田書院ブックレット」既刊分9冊を全部注文してくださった方が、4人もいたのです。しかも、その方々は岩田書院のDMの名簿に入っていなかったのです。う〜ん、いままで、私はどこへ向けて宣伝していたのだろうか…。
 岩田書院は、出版社規模に比較して分不相応な宣伝費を投入している、という変な自負(?)を持っていたのだが、それが、必要な人に届いていなかった、ということです。まだまだ、本を買ってくれる人は、いるのです。出会いがないだけなのか…。
 という経験をしたばかりなのに、5月8日・9日の交通史研究会で、同じようなことをした。これまた新刊(田中智彦『聖地を巡る人と道』8400円)が、当日分、品切れ。どうも、読みが悪い。「どうせ…」という気持ちは、いけませんね。でも、「どうせ売れないだろう」と思いつつも、本を担いで出ていくだけ、まだ、売る気持ちがあるということでして。


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