No271  2003年1月

原価/部数/定価

 昨年末に倉庫へ行って棚卸をしてきた。在庫を全面的に倉庫会社に預けてしまったので、普段その物量を実感しないで済んでいるのだが、実際に在庫の山を見ると、もっと発行部数を減らさなくちゃいかんなあ、と思う。
 以前にも書いたが、発行部数を減らすと、1冊当りの原価は高くなるが、総額が減るので、原価回収は早くなる。ただし、全部売れた時の利益はかなり減る。でも、それは全部売れた場合であって、発行部数の半分も売れない場合もあるのだし…。
 一昨年(2001年)に刊行した36点のうち、定価5000円以上の専門書24点について見てみよう。24点で総部数は13800冊(1点平均575冊)、昨年末の在庫は7330冊(平均305冊)、在庫率53%、半分弱が売れたことになる。
 実は、岩田書院の本の定価は、発行部数の40%売れて原価回収できるように設定してある。結果として1年から2年かけて目標をほぼ達成していることになる。が、それには総売上の20%を超える広告費が入っていないし、我が家の生活費も入っていない。
 それにしても、半分は在庫になって倉庫に眠っているのだ。さあ、今年から更に発行部数を100部減らすことにするぞ〜っ。でも これって、後ろ向きの発想だなあ、前向きに、もっと売るぞ〜っ、と言わなくてはいけないのかも…。


次の裏だより