No234  2002年3月

【助成金、すべりこみセーフ、である。】

年度末は、いろいろ忙しい。ことに、日本学術振興会の出版助成の期限は2月末で、それが3点集中すると、結構たいへんである。さらに輪をかけて、年度内に納品しなければならないものだとか、新学期用のテキストだとか、記念論文集の出版記念会の日程が決まっているものだとかが重なって、もう、わけがわからなくなってくる。
 出版助成金を貰えるものは、なんとしても間に合わせないとお金が貰えないので、こちらも必死である。今年の学振の助成金は 3点あわせて440万円、これが入らないと印刷屋さんに支払いができない。全体の赤字を、この助成金でなんとか埋めあわせているのが実情である。この出版助成、来年度分を昨年末に5点申請している。その結果がわかるのが5月、それによって来年の岩田書院の経営状況が変わってくる。なんとも不安定な経営である。
 なお、『助成団体要覧 民間助成金ガイド』という本があるが、それを見ても、研究助成が多くて、出版助成はほとんどない。しかも自然科学系が多く、人文社会学系は少ない。自然科学系は、研究にかかる費用の桁が人文系とは違うから、仕方がないのか。