No.217  2001年11月

【山川歴史モノグラフ】

 これは山川出版社の公募企画である。「歴史学研究」751号(2001.7)に公募のお知らせという広告が載っていた。日本史・東洋史・西洋史の専門書の原稿を公募し「厳正な審査のうえで、規定の条件を満たした著作」を年に各1冊刊行していく、というもの。
 現在のような状況では、著者が本を出そうとしたとき、まず、どこが出してくれるだろうか、というふうに考える。恩師の先生が出版社を紹介してくれる場合もあるし、著者自身がそれまでの関係で知っている出版社があれば、そこに声をかける場合もある。
 どこにも知り合いがないとなると、自らが原稿を持って出版社に持ち込まなければならない。そうなると、編集者の品定めに会うのである。なんで著者が頭を下げなくちゃならないんだ、と思うだろう。しかし現実には、出版社が出させてくださいと言うか、著者が出してくださいと言うかで、大きな違いがでてくるものである。
 それをこの企画は、「公募」というかたちでクリーンにしてみせた。