No.213  2001年9月

【博士論文オンデマンド】

 これは関西学院大学出版会の企画(富士ゼロックスとの共同プロジェクト)である。博士論文のデータを自社のホームページに登録しておいて、注文があれば、簡易印刷・簡易製本して販売する、というもの。登録料2万円は 著者が負担(現在は無料キャンペーン中)、販売価格は1件4500円、現在18件の博論が登録されている。
 この広告(「週刊読書人」200.11.10)を見たとき、思わず、「こりゃ 岩田書院でもできるな」と思った。学位論文を出版する場合、採算をとるのがむずかしいものがかなりある。それを補う意味で、日本学術振興会の助成金のシステムがあるのだが、なかなか貰えない。となると、出版がむずかしくなってしまうのだが、この方法だと、クリアーできるのである。しかも、読者にとっては、普通の出版より安い価格で手に入る。出版社にとっては、リスクがない。
 パソコンを使えない人も、博論のリストと概要さえ判れば注文できる。いいことづくめに見える。