No.212  2001年9月

【専門書出版社の成功の秘訣 (続)】

 アメリカの社会学系の出版社セイジ出は、「専門書出版社だという意識は まったくなく、あくまでも利潤を追求する商業出版であるという認識でこれまで経営をしてきた」と述べているが、岩田書院もまさにそのとおりである。
 私も儲けようと思ってやっているのだが、それが思うように儲からないだけである。 ただ、この世界、いい本をだしているという評価を得ることが重要で、それが得られれば、なんとかなる。いい著者が集まり、いい原稿が集まり、いい読者がそれを支えてくれる。それが総体となって 岩田書院の評価があがる。そうなると「儲かる」、はずである。
「いい本をだしてますね」、なんて言われると「いや〜、そんなことはありませんよ」なんていいながら、心のなかでは、ニコニコものである。そうして、売れそうにもない本を引きうけてしまう。そうして、結果として、ソコソコしか儲からない、ということになる。どうも、おだてに乗りやすいようだ。気をつけよう。でも、それでバランスがとれているのかも知れない。