No.203  2001年5月

【オンデマンドでやってみた 】

  オンデマンドとは、On Demand ご要望に応じて、という意味で、印刷出版業界では、極小部数の出版形式を指す。簡単にいうと、従来のインクによる印刷ではなくて、パソコンのプリンターのようなものだと思えばいい。今回、この方式で増刷をしてみた。
 岩田書院のような1冊の定価が高い場合でも、増刷するとなると 最低部数が200部、そのうち100部売れてやっと原価回収、しかも回収までに2年かかる(新刊の原価回収より時間がかかるのである)。まして 定価が安い本だと、さらに原価回収が困難になり、増刷ができない、という状況になってしまう。
 そこで威力を発揮するのが、このオンデマンドである。増刷する場合、元データがなくても、コピーする要領で、本の紙面をそのまま読み込んでプリントアウトすればいいので、経費が安くなり、なんとか採算ベースにのせることができる。
 今回増刷した2点は、品切れ前6か月の実売部数が20冊以下で、品切れになるまで約5年かかっている。これでは正直いって増刷は、きつい。でもなんとかしたい…。というわけでオンデマンドで増刷した。いろいろ試行錯誤しているわけです。