No.202  2001年5月

【一人ひとりがパトロンに 】

 かつて、専門書出版は「集団的自費出版」であると書いた。それは、読者が、本を買うことによってその出版社を支えている、ということである。その意味で岩田書院は、読者(著者も含む)に支えられているのである。ということは、みなさんが岩田書院のパトロンになってくれているということである。ありがたいことである(いざという時は、岩田書院の社債を発行しようかと思っているくらいなのです。その時は、よろしく)。
 逆の意味で、岩田書院もパトロンといえるかもしれない。岩田書院では、学会誌や研究会の機関誌にかなりの数の広告を出しているが、これは費用対効果ということからいえば、出さないほうがいいだろう。現に広告費を削る場合は、まっさきにその対象となってしまうところである。
 しかし、学術専門書の出版で食べていこうとするならば、その基盤である学会・研究会の活動が活発であってくれなければ困るのである。その意味で、ささやかな資金援助でもある。それが、長い眼でみて、岩田書院に戻ってくる、と思いたい。