No.182  2000年9月

【初心に帰って(2) 】

 「出版社事始め−1人だから専門書をA」 (『出版ニュース』1993年9月上旬号より)
学術専門書といっても、私の場合は、いままで手がけてきた歴史・民俗・宗教・国文学関係の本を中心にしたいと思っています。いずれも発行部数は1000部以下で、定価も8000円前後、その意味では極めて特殊といえるかもしれません[発行部数1000部以下、といっているところが、まだ現実を認識できていなかったことを現しています。現在は700部以下です]。
 しかし逆に、売り先がはっきりしていて、読者の顔が見えてくるという世界です。作ってみなければ売れるかどうかわからないという本ではなくて、作れば、これくらいは売れるだろう、という予測のできる本です(その予測がよくハズレルのですが)。
 1人でやれることには限りがあります。その中で無駄な経費を切り詰めて(身を削って?)本を作っていかないと、とてもやっていけないと思っています。ほかの出版社をみても、学術専門書を出し続けているところは、たいてい数人でやっています。1人が一番いい。1人だからこそ できる企画があります。