No.181  2000年9月

【初心に帰って(1)】

 ご報告が遅れましたが、お蔭様で岩田書院は、今年(2000年)の6月に創立7周年を迎えました。まさに「お蔭様で」です。
 創立当初、『出版ニュース』という雑誌に3回にわたって 小文を書いたことがある。この「裏だより」のネタもきれたことでもあるし、ここらで初心を確認するのもいいだろう、ということで、以下、数回にわたって、その文章を再録させていただくことにする。[ ]内は、採録にあたっての補記。
 「出版社事始め−1人だから専門書を@」 (『出版ニュース』1993年9月上旬号より)
 私は今年[1993年]6月に出版社を作りました。名前は「岩田書院」です。作ったといっても、誰でも作れるわけでして、正式には6月に有限会社として正式に登記した、ということです。それまで20年間勤めていた出版社を昨年退社したあと、そこの仕事を整理しながら、新しい本を出す準備をしていまして、6月に会社設立と同時に新刊3点を出版しました。
 名刺には「学術専門書出版」という字句をあえて記して、みずから枠をはめようとしています。この不況の時によく独立したもんだとか、学術専門書で売れるの?という声をよく聞きます。ごもっともな反応です。でも私としては、なんとかなるだろう、という気持ちで今もいます(もっとも、あと1年後に同じ気持ちでいられるかどうかはわかりません)。