No.125 1998年10月
【緊張感が切れたのか】
 今年の夏、東京は あまり暑くはなかったが、それでも やっぱり「夏」である。おかげで私の体と頭は、すっかり「お休みモード」になってしまった。今年の前半のハイペースの反動と暑さのせいで、仕事の能率はガタ落ち。新刊点数も、7月は2点で、8月は1点になり、9月は、とうとう0になってしまった。
 緊張感が切れてしまったのかも知れない。
 創立当初は、なんとか軌道に乗せようと必死だった。無我夢中でもあった。安アパートの一室を借りての、0からのスタートであった。夏の暑い日、4階の事務所に新刊を運び入れるのに、30回も階段を昇り降りして、汗だくになったこともあった。
 事務所と自宅とは、歩いて15分。家で晩飯を食べてから、また事務所に戻ろうとすると、当時小学3年だった長女は、せっかく帰ってきて遊んでくれるのかと思ったのに、なんでまた行くのかと、おこっていたこともあったっけ…。その娘も今は中学2年。背は、母親よりも大きくなった。
 当時まだ生まれてもいなかった末娘は、今、幼稚園。この娘は、私の事務所を「お父さんの おうち」だと思っている。

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