No.66 1996年11月
【書店ルートと直販ルートとの売上げ比率】
 まず、今年(1996)の1月から10月までの具体的なデータから示してみよう。

 a 地方小出版流通センター経由の売上げ  2848万円
 b 岩田書院の総売上げ  5729万円

このaが書店ルートの売上げにあたる。それ以外が、原則として直販ルート、ということになる。書店ルートの売上げ比率は49.7%で、ほぼ、書店:直販=5:5、になっている。昨年のデータもほほ同じような比率である。
 これをみると、直販の比率がかなり大きいと感じるかもしれない。しかしこの直販のなかには以下の金額が入っている。(1)文部省の出版助成金、(2)自費出版の製作費、(3)著者買い上げ分。これらを除くと、実際は、書店:直販=6:4ぐらいか、7:3程度になっているのだろう(著者買い上げ分を全部集計していないので、正確な数字をだせないが)。
 やはり、読者→書店→取次(→地方小出版流通センター)→出版社、というルートが生きている、といえよう。専門書の出版の場合、しかも小社のようにDMを結構やっている場合は、直販の比率がかなり高いだろうと予測されるが、結果は、書店経由の注文件数のほうが主力であることがわかる(この書店経由のなかには、図書館からの注文がかなり入っているが、これも正確な数字がだせない)。
 しかし、金額的には、上記(1)(2)(3)の貢献度が大きいこともみえてくるのである。

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