No.39 1995年11月
【学術書のほうが売りやすい?】
 本が売れないといっても、それは程度の問題で、500部しか売れないとみるか、500部も売れたとみるかで、ずいぶん違う。学術専門書の場合は、その本の内容によってだいたいの部数は読めるものである。もちろん予測と違って売れないことも多いが、それでも絶対数が少ないので、読み違いの誤差も少ない。
 これが一般書だとそうはいかない。作る側の思い入れが大きいほど、結果は逆になることが多い。ベストセラーの可能性があるかわりに、返品の山を築くことのほうが多いだろう。
 専門書の場合は、まずベストセラーになることはないが、予測と違ってまるで売れない、ということもあまりない(最初から、売れないと判っているから?)。ただ売れても利益率が悪いので、1点でも足をひっぱる本を作ってしまうと、ダメージが大きくなる。10点だして10点とも最低部数は確保しないと、会社の存続にかかわる。
     
  岩田書院も50点の新刊をだしていると、売れた本もあれば、売れない本もでてきます。でもいくら売れないとは言っても、なんとか最低原価だけは回収している。

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