No.8 1993年11月
【芝正夫遺稿集のはなし】
 岩田書院の8冊目の本は、芝正夫遺稿集『父親が娘を殺す話』です。
 私は芝さんの死を、『昔風と当世風』にのった追悼文をみて初めて知りました。私と同世代であり、同業者であり、一人で頑張っていたのを知っていたので、何か身につまされる思いがしました。その思いは、私が独立して一人で出版社を起し、芝さんと同じような道を歩みはじめてから、さらに強くなってきました。
 芝さんがなくなってから二年。お蔭さまで、この本を芝さんの三回忌までにだすこができました。これも偏に刊行会の方々の御協力のお蔭です。
 私も、この本で儲かるとは、さらさら思っていません。でもなんとかして、元だけは回収したいと思います。書名がなにやらおもしろそうなので、売れそうな気もするのですが、そう簡単にいけば、出版ほど楽な商売はない、ということになります。
     
  おかげさまで、この『父親が娘を殺す話』600部作って実売520部。元を回収して少し儲かりました。でも出版って、それほど楽な商売ではありません。
     
  *おかげさまで、この『父親が娘を殺す話』は品切れになりました。しかし残部80部になってから品切れになるまで、約2年かかっています。

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