宇喜多秀家と明石掃部

大西 泰正 著
(石川県金沢城調査研究所所員/1982年生まれ)


2015年5月刊
A5判・140頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-890-5 C3021
1850円 (税別)
評者:遠藤英弥(『地方史研究』381  pp95-96  2016.06)
本書は、備前国岡山の大名宇喜多秀家(1572-1655)と、その家臣明石掃部(かもん)(生没年未詳)を中軸に、大名宇喜多氏とその周辺の諸問題を検討する。
T「宇喜多秀家とその周辺」では、著者の『豊臣期の宇喜多氏の宇喜多秀家』(2010年)、『「大老」宇喜多秀家とその家臣団』(2012年、いずれも岩田書院)における議論の総括としての新稿「豊臣期宇喜多氏権力論」や、関ヶ原合戦後の秀家を追跡した「宇喜多秀家の処分をめぐって」、宇喜多氏領国の石高を再考する「宇喜多氏の石高をめぐって」など、独自の視角着想をもって豊臣期の宇喜多氏と秀家の人物を論じる。
U「明石掃部の研究」は、著者による同名同書(2012年、私家版)の論考を再録。キリシタン武将・明石掃部の人物と履歴を、断片的史料の博捜によって能う限り掘り下げて論じている。
【主要目次】

 T 宇喜多秀家とその周辺
豊臣期宇喜多氏権力論
  豊臣期宇喜多氏権力の形成/
  家中構造/
  特殊性と脆弱性/
  国替の可能性から

文禄期「唐入り」における宇喜多秀家の立場について
 ―豊臣秀勝との関係から―

宇喜多秀家の処分をめぐって
  秀家の薩摩入国とその出家/
  秀家の出頭/
  秀家の赦免と久能配流/
  秀家助命の背景

小瀬中務と小瀬甫庵

宇喜多氏研究の困難とその可能性

宇喜多氏の石高をめぐって

 U 明石掃部の研究
第一章 明石掃部の基礎的考察
  (先行研究/
  掃部の出自と宇喜多氏家中での立場/
  キリシタンとしての掃部/
  掃部と宇喜多騒動/
  関ヶ原合戦)

第二章 関ヶ原合戦以後の明石掃部
  (欧文史料に見る関ヶ原合戦・戦後の掃部/
  邦文史料に見る関ヶ原合戦・戦後の掃部/
  大坂の陣とその後の掃部)

後記 明石掃部の人物

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