奈良平安時代の<知>の相関

根本誠二・秋吉正博・長谷部将司・黒須利夫 編

2015年1月刊
A5判・442頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-889-9 C3021
11800円 (税別)
「本論文集は、『奈良仏教の地方的展開』(岩田書院、2002年)、『奈良仏教と在地社会』(同、2004年)、『奈良・南都仏教の伝統と革新』(勉誠出版、2010年)に続く第四の論文集である。
 本書で問う「知」とは、狭義には何らかの固有の学問体系をさすが、成熟した学問体系のような知の営みは、その論理性により人々に対して一定の説得力を有し、その説得力によりその知に接した社会集団にあまねく浸透し、その集団内に一定の秩序をもたらす。それゆえにその知は権力性を有する、つまり常に権力に働きかける方向性を内在する。この点をふまえれば、「知」とは 広義には、単に学問体系にとどまるものではない、社会を維持するための知的な営み全般をさすものとすべきだろう。」(「まえがき」より)
【主要目次】 
T 奈良・平安仏教における「知」の相関
憲法十七条の知の地平
 ―第十条・第十四条が提示する問題点
宮城洋一郎
古代寺院と学僧 本郷 真紹
良弁と真備 根本 誠二
中国唐代と日本古代における写経と「清浄観」 ブライアン・ロゥ
『日本霊異記』の仏教伝道史的考察 直林 不退
『聾瞽指帰』の再評価と山林の言説 阿部 龍一
 
U 宮廷社会における「知」の相関
日本古代の放鷹文化と統治思想
 ―天皇狩猟から野行幸へ
秋吉 正博
「崇道天皇」の成立と展開
 ―九世紀における「天皇」の位相
長谷部将司
宇多法皇考 駒井 匠
掃部司・内掃部司と掃部寮 ―延喜掃部式の古層 黒須 利夫
三条天皇大嘗会と『北山抄』
 ―公卿の情報網からのアプローチ
重田 香澄
 
V 在地社会における「知」の相関
古代における在地布教と「護法善神」 鈴木 実
古代東北史の再構築 佐藤 英雄
馬(【人+就】馬)之党と強雇 伊藤 一晴

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