奈良仏教の地方的展開


根本 誠二(筑波大学教授)
宮城 洋一郎(皇學館大學教授)編

2002年2月刊
A5判・240頁・並製本・カバー装
ISBN4-87294-231-0
2800円
「古代仏教史を読み解くうえで、キーワードとして、奈良仏教の地方的展開、日本古代仏教美術史、『日本霊異記』、を措定した。」 (根本「編集後記」より)
「これまでも奈良仏教の研究は、幅広く展開し、優れた成果を次々と公にされてきている。そのなかにあって、地方的展開と銘うった本書は、従来の仏教史的な範囲をどう越えて、そこに肉薄するかを課題に設定した。この課題にたいし、根本誠二氏と宮城は、民俗学、文学、美術史等からのアプローチを熱心に説き、仏教史学を拠点とする研究者との交流を深めてきた。こうした立場は、律令体制のもとで保護と統制の対象として位置づけられた中央型の奈良仏教にたいし、地方的展開を提唱することで、いわば生きた姿を求めようとするねらいがある。それは、仏教を受容した人びとの生き様であり、信仰内容を浮き彫りにしていくための試みであるといえよう。」(宮城「あとがき」より)
本書は、『奈良仏教と『霊異記』的世界』(根本・宮城編 2001.3)を、書名を改め、新装版 として刊行したものである。刊行にあたっては、文献目録など、若干の訂正を加えた。
【主要目次】
東晋期中国江南における<神仏習合>言説の成立
 ―日中事例比較の前提として―
北條 勝貴
天武朝の仏教政策についての覚書 御子柴大介
『日本霊異記』下巻第四縁の一考察 宮城洋一郎
律令制下における毛野氏の変遷
―東北地方への仏教布教の一側面―
長谷部将司
行基と薬師信仰 根本 誠二
東国における仏教関連遺跡―様相と予察 木村 衡
The Hosso School and Image-Making In Ninth Century Japan
奈良仏教研究文献目録
Samuel C.Morse
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