古代上毛野をめぐる人びと

関口 功一 著
(群馬県立前橋工業高校教諭/1959年生まれ)

2013年12月刊
A5判・192頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-841-7 C3021
2000円 (税別) 品切れ
評者:田中禎昭(『群馬文化』320  2114.10)評者:時枝務(『群馬歴史民俗』36  pp150-155  2015.03)
「古代の上毛野(群馬県)地域には、実際に「誰」がいたのか、いなかったのか。
そのような地域の実情を考えるとき、上毛野氏は「古代東国の王者」と言えるような存在だったのか。」(本書「はしがき」より)
『上毛野の古代農業景観』(2012)、『古代上毛野の地勢と信仰』(2013 いずれも岩田書院)に続き、本書では人物に焦点をあて、地域の歴史の「連続する要素」と「不連続の要素」や、物理的・血縁的な系譜と、「意識」とか「地縁」的結合などに留意しつつ、伝承と実録の時代について検討を加える。
【主要目次】

第1章 古代「上毛野」の住民たち
      「太田天神山古墳」の被葬者像/
      朝倉君氏と那波郡/
      檜前部君氏と佐位郡/
      石上郡君氏と碓氷郡・吾妻郡/
      物部氏・礒部氏と甘楽郡/
      防人歌の作者たち/
      柵戸と俘囚/
      古代「東国」地域と渡来人

第2章 上毛野君三千の氏族観(1) −伝承の時代
      「始祖」伝承/
      「遠祖」伝承/
      「其の子孫は、今に於いて東国に有り」/
      「祖」荒田別/
      「祖」竹葉瀬・田道兄弟

第3章 上毛野君三千の氏族観(2) −伝承と実録の間
      「武蔵国造の争乱」と上毛野君小熊/
      蝦夷征討と「大仁」上毛野君形名/
      白村江敗戦と上毛野君稚子/
      「天武八姓」と上毛野氏

第4章 上毛野氏の虚像と実像 −実録の時代(1)
      律令制的地域再編成と上毛野氏/
      「長屋王の変」と上毛野朝臣宿奈麻呂/
      多様な「上毛野」氏像/
      「東国六腹朝臣」の意味

第5章 上毛野朝臣穎人とその前後 −実録の時代(2)
      「新撰姓氏録」と上毛野朝臣穎人/
      仏教を信仰する人々/
      藤原北家と上毛野朝臣滋子/
      物騒な人々

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