カミと王の呪縛 ‐日本中世のNATION3‐ 永井隆之・片岡耕平・渡邉 俊 編 2013年9月刊 A5判・214頁・並製本・カバー装 ISBN978-4-87294-811-0 C3321 2800円 (税別) |
|
前2書『日本中世のNATION−統合の契機とその構造』2007、『検証 網野善彦の歴史学−日本中世のNATION2』2009、に続き、2010年8月に仙台で開催されたシンポ「カミと王の呪縛−人びとを統合するもの」をもとにした論集。古代の「神国」形成前から近代天皇制まで射程を広げ、ナショナリズムの基点を中世に求める。全3冊・完結。 | ||
【主要目次】 | ||
天皇制と近代政治思想における公/私区分 | 仲正 昌樹 | |
丸山眞男の天皇制論/ 神話と歴史と宗教/ 天皇制の美的次元/ 主体性のミメーシスと天皇制 |
||
主権及び天皇制の起源 −方法序説− |
小路田泰直 | |
人身御供の創出/ 理性への期待/ 近代の選択 −理性か人身御供か |
||
貞観新羅海賊事件と神国の転換 −「「神国」の形成」以前− |
片岡 耕平 | |
契機とその構造/ 貞観十一年の神国/ 「故実」の原点/ 新たな要素が加わるまで/ 常態としての神国 |
||
「天皇」と「人間」 −和辻哲郎と坂口安吾の天皇論− |
先崎 彰容 | |
天皇とは何者なのか−和辻哲郎と坂口安吾/ 「堕落」の一般的イメージ/ なぜ和辻は「生きた全体性」「伝統」にこだわるのか/ 和辻のいう「堕落」の意外な帰結/ 安吾から和辻へ−象徴天皇とは何か |
||
中近世移行期の系譜認識にみられる神と王 −神・王の社会的必要性− |
永井 隆之 | |
「神」や「王」とは「われわれ」にとっていかなる存在か/ 領主層の系譜認識/ 非領主の系譜認識 |
||
八世紀の図讖と皇位継承 −孝謙・称徳天皇を中心に− |
堀 裕 | |
皇位継承の前兆と預言/ 皇位継承と識 |
||
救済・他界観の日欧比較試論 −「個人」成立の問題をめぐって− |
渡邉 俊 | |
「個人」の成立/ 懺悔とconfessin/ 日本中世における他界観の変化は何をもたらしたか |
||