鎌倉府の研究
湯山学 中世史論集C(第U期 全3冊)

湯山 学 著
(元 藤沢市役所勤務/1928年生まれ)
編集:黒田基樹(駿河大学准教授)
解説:植田真平(早稲田大学大学院博士後期課程)

2011年11月刊
A5判・394頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-716-8 C3321
9500円
評者:森幸夫氏(『ぶい&ぶい』24  2013.1)
「鎌倉府研究を含む南北朝・室町期の東国史研究は、1980年代以降飛躍的に発展しが、基礎的な部分の実証面でそれを大きく支えていたのが、湯山学氏の研究であった。
 湯山氏の研究の最大の特徴は、これまでも言われているとおり、史料の博捜による高い実証性である。特に本書は、政権内部において文書発給能力を持った吏僚層(右筆・奉行人等)の解明に関するものが多く、花押の照合など地道な作業の成果が随所に見え、これまで不明として放置されてきた事案に再び光を当てるなど、湯山氏の研究の真髄が見て取れる。導かれた結論は、緻密かつ着実な歴史事実の積み上げという基礎的な成果である。」(植田「解説」より)

【主要目次】
建武新政期の鎌倉御所 −「関東廂番定文」に関する考察−
鎌倉府の足利氏一門 −桃井氏・畠山氏について−
関東府侍所・伊豆国守護高坂氏重について
鎌倉御所奉行・奉行人に関する考察
 −鎌倉府職員の機能と構成−
鎌倉・古河公方の奏者印東氏 −鎌倉府御所奉行補考−
鎌倉府と問注所執事三善氏
鎌倉府奉行の東満康について
鎌倉府奉行小考 −町野浄善と清原繁隆
鎌倉府奉公衆の設楽氏
10 造伊勢大神宮役夫工米覚書
 −鎌倉府と役夫工米大使との関係を中心に
11 室町時代伊豆国に関する予察 前編
 −山内上杉氏の守護領国支配形成過程−
12 伊豆山(走湯山)文書考
13 堀越公方と相模国
14 伊豆堀越公方の奉行人近江前司教忠について
解説 湯山学氏の鎌倉府研究           植田 真平
【既刊】
 @関東上杉氏の研究
 A三浦氏・後北条氏の研究
 B武蔵武士の研究
【続刊】
 D南関東地域史の研究
 E相模国の中世史(増補版)


ご注文へ TOPEへ