富士塚考 続
富士祭の「麦藁蛇」発祥の謎を解く

竹谷 靱負 著
(富士山文化研究会会長)

2010年9月刊
A5判・190頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-638-3 C3039
2800円 (税別)
東京(江戸)の富士塚(浅間神社・富士神社)で土産物として売られている縁起物の「麦藁蛇」。
通説では、発祥の時期は宝永期(1704-11)、発祥地と発案者は駒込の百姓喜八、効能は疫病除け、とされているが、本書では、それ以前より存在していた原型の麦藁蛇に注目し、通説の宝永期起源説や効能について疑問を呈す。
そして、発祥は延宝期(1673-81)まで遡り、創作者は無名の女童子で、効能は出世祈願のためであったことを明らかにした。
どうやら、「富士祭でも若衆が近場の水道で水垢離した後、地元の浅間神社界隈の床店で麦藁蛇を買い求め、しかる後に境内の富士に参詣し、肩にかけて持ち帰り家に飾って出世祈願した」というのが真相のようである。
【主要目次】
第1章 富士祭の土産−麦藁蛇
第2章 麦藁蛇の製作と効能
第3章 下谷坂本富士と麦藁蛇
第4章 鉄砲洲富士と麦藁蛇
第5章 十条富士と麦藁蛇
第6章 深川富士と麦藁蛇
第7章 白山富士と麦藁蛇
第8章 浅草富士と麦藁蛇
第9章 茅場町富士と麦藁蛇
第10章 駒込の富士神社誌
第11章 駒込富士と麦藁蛇
第12章 麦藁蛇の濫觴−竹飾りの麦藁蛇を肩にかけるのはなぜ若衆なのか
【既刊】『富士塚考−江戸高田富士築造の謎を解く』(2009年9月、岩田書院刊)

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