下野中世史の世界 岩田選書◎地域の中世G 松本 一夫 著 (栃木県立文書館館長補佐/1959年生まれ) 2010年5月刊 A5判・222頁・並製本・カバー装 ISBN978-4-87294-616-1 C3321 2800円 (税別) |
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前著『東国守護の歴史的特質』(2001年 岩田書院)刊行後に発表した鎌倉・室町時代における下野国内の領主(茂木氏・宇都宮氏・芳賀氏など)や、足利庄支配の問題にかかわる論文のほか、下野中世史研究の回顧と展望を収める。 第1章と補論2本は新稿。 |
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【主要目次】 * は新稿 | |
第1章* | 中世における下野の位置 −地政学的アプローチ (奥州との境界/ 分権性) |
第2章 | 寒河尼−女性地頭の功績 (頼朝の乳母として/ 寒河尼の「大功」) |
第3章 | 南北朝〜室町中期における足利庄支配 (観応擾乱期/ 南北朝後期/ 室町前期/ 室町中期) |
第4章 | 南北朝・室町前期における茂木氏の動向 −上級権力との関係を中心に (軍事指揮系統/ 周辺諸勢力との関係/ 室町幕府・鎌倉府との関係/ 鎌倉公方足利持氏との関係) |
第5章 | 「茂木文書」調査報告 (保存の状況/ 伝来の経緯/ 若干の古文書学的所見) |
補論1* | 茂木氏と東茂木保−鎌倉・南北朝期を中心に |
補論2* | 茂木賢安の置文 |
補論3 | 南北朝初期における茂木氏と佐竹氏の交流 |
第6章 | 鎌倉末〜室町期の宇都宮一族 −「宇都宮」を名乗った人々 (宇都宮(芳賀)高久/ 高貞(弾正少弼家)/ 左衛門佐(尉)/高有/ 伊与守家綱) |
第7章 | 南北朝期の越後守護代芳賀氏をめぐって (文和三・四年段階における文書の伝達ルート/ 芳賀高貞・高家は同格か/ 芳賀氏発給文書の特質とその意味) |
第8章 | 花押の謎 (桃井直常と貞直/ 小山朝氏と桃井六郎/ 女性が証判を加えた軍忠状) |
第9章 | 下野中世史研究の回顧と展望 −『栃木県史』以降 (領主権力論/ 土豪論/ 室町期の全体的動向/ 都市・交通論/ 荘園支配関係/ 宗教史) |