アジアのアーカイブズと日本
 記録を守り記憶を伝える
岩田書院ブックレット:アーカイブズ系13

安藤 正人 著
(学習院大学教授/1951年生まれ)

2009年11月刊
A5判・114頁・並製本
ISBN978-4-87294-587-4 C1321
1500円 (税別)
評者:前川佳遠里氏(『アーカイブズ学研究』17  2012.11)
前著『草の根文書館の思想』(ブックレット3、1998年)刊行後、アジアと日本の関係に目を向けながら、アーカイブズ学の新しい側面を切りひらいている著者の足跡を示す。
「アジアの人々と、歴史認識、すなわち過去の「記憶」を共有し、同じ土俵で未来を語るためには、まず歴史認識のもととなる記録史料の共有化が前提である。そのためには、戦争や植民地支配によって破壊されたり流出したりした記録の解明と、残された記録の掘り起こし、そして、それらのアーカイブズ情報を公開し共有するための国際的なネットワーク作りが必要だ。それを足元から率先して進めることが、いま日本に求められている。」
(本書 第1章より)
【主要目次】
第1部 アジアのアーカイブズと日本
第1章 アーカイブズから考えるアジアの中の日本
  アジアからの視線/
  失われた記憶と記憶の再生/
  日本に求められるもの/
  他
第2章 戦争とアーカイブズ―「満州国」からイラクまで―
  アーカイブズ被害/
  アーカイブズを守る国際協力/
  他
第3章 アジアにおけるアーカイブズとアーカイブズ学研究
  アジアの現代アーカイブズ/
  植民地支配とアジアのアーカイブズ/
  他
第2部 地域に足を 世界に目を
第4章 地域資料の活用拡大のための課題
    ―“草の根文書館”論再論―
  本渡市:天草アーカイブズ/
  西予市:城川文書館/
  伊江村:ヌチドゥタカラの家
第5章 阿波根昌鴻さんのメッセージを未来に伝えるために
    ―阿波根昌鴻資料第1回調査を終えて―
第3部 アジアのアーカイブズ学教育
第6章 アジアのアーカイブズ学研究とアーキビスト教育
    ―「アジア太平洋地域アーカイブズ学教育国際会議」に参加して―
第7章 “記録を守り 記憶を伝える”
    ―学習院大学大学院人文科学研究科「アーカイブズ学専攻」の新設―

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