文人・勤番藩士の生活と心情
近世史研究叢書23


高牧 實 著
(聖心女子大学名誉教授/1933年生まれ)

2009年8月刊
ISBN978-4-87294-566-9 C3321
A5判・326頁・上製本・函入

7900円
「本書は、小林一茶・滝沢馬琴の暮らしの心、滝沢嫡家の分家滝沢清右衛門、江戸勤番土佐藩士森正名(四郎)の暮らしについて、検討してみようとするものである。
 一茶については、『一茶全集』に依って、馬琴については、『馬琴日記』『馬琴書翰集成』『吾仏乃記』などに依りながら、時間の経過にしたがって、つまり加齢にしたがって、移りかわる心を究明する。今日までの一茶・馬琴についての諸研究で取りあげられなかった問題が明らかになってくる、と考えるからである。
 また、滝沢清右衛門が、馬琴(隠居)との関係のなかで、どのような暮らしをしていたのか、今日まで検討されていないので、その実態を詳細に追究し、延いては馬琴の暮らしを明らかにする。
 後半は、土佐藩士森正名の江戸藩邸での勤務や藩邸内外での暮らしの実態について『森正名江戸日記』に依って、こと細かに記述する。江戸勤番と江戸暮らしについては、従来、史料上の制約があって、僅かに知られるに過ぎないので、事例として詳細に提示する。」
                            (本書「まえがき」より)
【主要目次】
  
一茶の易占と観音詣・念仏
 『易経』の句訳と易占/
  寺社参詣と観音信仰/
  念仏と晩年の心境
滝沢馬琴の暮らしの心情と信心
  嫡家再興、祖先まつりと孝/
  呪・籤・方位/
  仁と天命/
  神霊と信心
馬琴と分家滝沢清右衛門
  当日祝儀挨拶と歳事/
  慶事と仏事/
  生業と公用/
  諸事手伝い
土佐藩士 森正名の江戸勤務と生活
  御雇の御馬廻御番手/
  秋月藩主黒田勘解由の御側/
  御馬廻御番手と病気欠勤/
  品川の浜 川新規御台場築立御用/
  山内容堂の御小姓/
 上書と攘夷/
  武芸入門と馬術稽古/
  学問の研修/
  江戸見物、参詣、墓碑銘調べ/
  書画・鐔の蒐集/
  暮らしと養生/
  酒と酔犯
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