中世の紛争と地域社会

蔵持 重裕 編
(立教大学教授/1948年生まれ)

2009年5月刊
A5判・386頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-562-1 C3021
8400円 (税別)
本書は、日本の中世社会における人々・集団間の様々な対立、紛争と、その解決への行動を究明しようとするもので、その前提として人々が生きていくこと、地域という生活舞台の上で生命をかけた営みや共生の仕方を作り上げている実態を追ったものである。
立教大学の藤木久志氏の演習の調査実習から、小林一岳氏が主宰する村落交流史研究会での研究会と現地調査へと、30年以上の実績を重ね、その成果は、『荘園と村を歩くT・U』(校倉書房)、『山間荘園の地頭と村落』(岩田書院)として刊行。本書は、それに続く成果。

【主要目次】 
紛争の解決と階級関係 蔵持 重裕
T 戦乱と兵
戦場の中の東寺境内 酒井 紀美
軍勢駐屯と「宿札」慣行 清水 克行
百姓層の武家被官化と守護権力 徳永 裕之
戦国大名上杉氏の地下人動員について 則竹 雄一
大崎氏「天文の内乱」の一考察 遠藤ゆり子
 
U 融通の構造
徳政における取戻しの実態 黒田 基樹
戦国期地域社会における憑子の構造 窪田 涼子
   
V 生存と相論  
公家政権と神人 櫻井  彦
山野紛争と14世紀地域社会
   ―山城国禅定寺・曾束荘紛争をめぐって―
小林 一岳
相論解決回路としての山伏の通交
   ―近江湖北・湖東の修験を素材として―
増山 智宏
戦国期近江における村落間漁業権・湖岸利用権相論 深谷 幸治
湖西の村の「生存史」
   ―鵜川をめぐる小松・打下の三百年闘争―
長谷川裕子
ある荘園の損免と災害
   ―播磨国矢野荘の場合―
藤木 久志

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