山間荘園の地頭と村落
−丹波国和知荘を歩く−


藤木久志・小林一岳 編

2007年12月刊
A5判・358頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-489-1 C3021 \7900E
7900 (税別)

京都府のほぼ中央に位置する和知町(現・京丹波町)は、総面積の9割が山林である。この町域とほぼ同じ領域に、平安期から和知荘という荘園が存在した。
武蔵国片山郷から入部した地頭片山氏が、地域社会のなかで、どのように生き抜いていったのか、その姿を描く。村々や地域社会の視点から、在地領主とされる彼らの姿を明らかにすること、つまり「在地」のもつ意味について真摯に考え直すことこそが、今もっとも必用とされている仕事ではないだろうか。
「荘園と村を歩く」フィールド・ワークの夏旅を30年近く続けている編者のグループは、中世村落の踏査に、はっきり焦点をしぼって「村落交流史研究会」として、より系統的に、持続的に運営され、今日にいたっているが、本書は、会の有志による6年にわたる共同研究の成果である。
【主要目次】 

第1部 和知荘と地頭片山氏
第1章 片山文書の世界─────小林 一岳
第2章 仁和寺・九条家と和知荘─────櫻井  彦
第3章 和知荘における下地中分と地頭片山氏─────蔵持 重裕
第4章 室町期片山氏と一宮・八幡宮─────松本  保
第5章 室町〜戦国期の和知荘と片山氏─────黒田 基樹
第2部 片山氏と村落
第6章 和知下荘の百姓と片山氏─────窪田 涼子
第7章 株のある村−和知荘安栖里村に関する一考察―────遠藤ゆり子
第8章 和知下荘中村にみる片山株と村落─────長谷川裕子
第9章 上下和知荘の結節点升谷地域と土豪野間氏─────増山 智宏
第10章 和知の山論─────藤木 久志
付 録 片山家文書 主要写真96枚・文書一覧


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