山神を見た人びと
  岩手岩泉物語B 【3部作*完結】

高橋貞子 著(1926年生まれ)・石井正己 監修

2009年8月刊
A5判・236頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-548-5 C1039
2800円
【監修のことば】
石井正己(東京学芸大学教授)───東北文化史の古層へ
この度、高橋さんが書かれた『山神を見た人びと−岩手岩泉物語−』を読みとおして、最初に考えたのは、柳田國男『遠野物語』のたどった歴史であり、高橋さんの歩んだ人生でした。すでに『岩泉物語』という命名そのものが『遠野物語』を強く意識したものであり、こう言ってよければ、『遠野物語』への果敢なる挑戦のように思われたからです。…
それにしても、『岩泉物語』は 一読すればわかるように、河童や座敷わらしのような大きなテーマが存在しません。むしろ、こうしたものから洩れてしまう話のかずかずです。…

【本文見本】
山の神に出遭った人
岩泉の向町の佐々木亥之松さん(明治生まれ)は、二十歳だったある日、山仕事で山中に入りました。奥山まで行ったとき、いきなり樹の間から顔の真っ赤な大柄の人が出て、ずいと顔を合わせました。…

【主要目次】
全145話

柞(ははそ)の章 山の神に出遭った人/山男の草鞋/山男にさらわれた娘/跡石/等34話

黄葉(もみじ)の章 ご用相撲と小雀/牛方長作と石尊真石流/百姓には百姓の杖/等27話

楓(かえで)の章 一の楔をお抜きぁんせ/結婚前夜の垢離取り/ヒエの作法/等26話

桔梗(ききょう)の章 門松迎え/若水迎え/やらぐろとやらくろ/俵箸/等11話

野菊(のぎく)の章 八岐大蛇と小正月行事/シトギの花掛け/カラスの団子/等30話

花野の章 お方追ん出し考/二月正月/八皿/昔の節分/桑祝ぎ/端午の節句/等17話

【既刊*岩手岩泉物語】
@河童を見た人びと 新装増補版
2003年6月刊・A5判・282頁・並製本・カバー装・2900円(税別)*増刷出来
A座敷わらしを見た人びと
2003年6月刊・A5判・176頁・並製本・カバー装・2000円(税別)*増刷出来

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