戦国期 今川氏の領域と支配
戦国史研究叢書D

大久保 俊昭 著
(駒場学園高校教諭/1955年生まれ)

2008年6月刊
A5判・314頁・上製本・函入
ISBN978-4-87294-516-4 C3321
7900円 (税別)

第1部では、戦国大名としての最盛期にあたる義元段階の領国がどのように形成されたのかを追究した。
第2部では、今川領国下での国人・土豪層の存在形態を、駿河の井出氏、遠江の井伊氏、三河の本多氏・西郷氏らについて検討し、あわせて今川氏がいかに三河の領国化をおこなったかについても検討した。さらに、国人・土豪層がどのように相続をおこない、「イエ」を維持してきたか、その相続に今川氏がどのように関与したかについても検討した。
第3部では、今川氏の宗教政策を、神社に関しては、富士大宮浅間神社の風祭神事と、静岡浅間神社の流鏑馬神事を通して検討した。一方、寺院に関しては、寺院の自治権能および寺領・住持職の相続に対する政策対応について、氏親から氏真期までを、政策の変化を視野に入れながら検討した。
最後に第4部として、今川氏が発給した「禁制」および類似文書を取り上げ、文書の様式論・機能論を展開した。
【主要目次】 

第1部 今川領国をめぐる政治状況
     義元政権の成立と初期政策/「河東一乱」をめぐって
第2部 今川領国における国人・土豪層の動向と存在形態
     井出氏の場合/井伊氏の場合/三河国の在地動向/
     伊奈本多氏の場合/西郷氏の場合/
     国人・土豪層の相続について
第3部 今川氏と宗教
     本宮の風祭神事/新宮の流鏑馬神事/
     寺院の自治機能をめぐって/
     寺領・住持職等の継承をめぐって/「旦過堂」について
第4部 今川文書の研究
     今川氏の「禁制」(1)(2)
小 論 今川氏と在地勢力五社別当大納言/
     今川氏と上杉氏の関東侵攻/一宮出羽守


ご注文へ