再考 中世荘園制

遠藤ゆり子・蔵持重裕・田村憲美 編

2007年11月刊
A5判・316頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-488-4 C3021 \6900E
6900 (税別)
「2005年12月17日、歴史学研究会中世史部会の例会として、立教大学でミニ・シンポジウム「中世社会論−人々にとって荘園制とは−」が開催された。本書は、その成果をまとめるとともに、そこでの議論を発展させ、またそこでは充分に明らかにし得なかった課題について、改めて追究しようとするものである。
 ミニ・シンポでは、中世前期社会の問題に重点を置いたが、本書執筆にあたっては、考察の対象を中世後期にまで広げた。そして、荘園制の問題追究を通して、中世社会の特色を見出そうと試みている。(中略)
 本書は、荘園制の研究史と課題を整理した序章と、荘園制を一つの社会システムとして捉え、民衆の生存問題からそのような社会システムが産み出され、また機能した意義を明らかにしようと試みた8編の論文からなる。その基本的な視座については、ミニ・シンポジウムおよび本書の準備過程において、各執筆者間の共通認識となるよう努めてきた。」(本書「はしがき」より)
【主要目次】 

序 章 荘園制研究にみる中世社会論の課題 ─────遠藤ゆり子
守田逸人
長谷川裕子
川戸貴史
第1部 荘園制と在地世界
第1章 荘園制の形成と民衆の地域社会─────田村 憲美
第2章 荘園制下の開発と国判─────鈴木 哲雄
−新たな荘園制論によせて−
第3章 中世の水害と荘園制─────水野 章二
第4章 村落領主制論再考─────小林 一岳
第2部 荘園制の社会構造
第5章 十二世紀末の戦争を通してみる寄進の一考察─────遠藤ゆり子
第6章 中世後期の京上夫の活動─────徳永 裕之
第7章 九条政基にみる荘園領主の機能─────黒田 基樹
第8章 荘園制・中世社会について─────蔵持 重裕
―所有論の視点から―
シンポジウム討論要旨

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