桐生佐野氏と戦国社会


桐生文化史談会 編

2007年2月刊
A5判・168頁・口絵6頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-87294-458-7
2200円 (税別)
「桐生氏」という神話から、「桐生佐野氏」へ――
従来、中世桐生と言えば、初代の「桐生国綱」以来、桐生氏が代々統治し、戦国期の「桐生祐綱」の時代に最盛期を迎え、祐綱の養子「桐生親綱」の代に太田金山城主の由良成繁に軍事攻略されて滅び去った、といストーリーが通説とされた。
しかし、最近の研究によれば、室町中期に古河公方の足利成氏の御料所を任された「桐生佐野氏」が、やがて所領を一円化しながら自立した動きを見せ、国衆に成長するという大きな構図が描ける。
本書では、最新の研究成果に基づき、北関東地域の政治的・経済的ダイナミズムのなかで桐生の戦国社会を捉え直した画期的な成果。

【収録内容】 シンポジウム「中世桐生の風景を往く」(2005年12月開催)の記録。  
中世桐生郷と桐生佐野氏成立の背景
  南北朝期の桐生氏/石像物からみた桐生郷/桐生郷の性格/佐野氏の桐生進出
久保田順一
桐生佐野氏の展開
  桐生佐野氏の歴代/桐生佐野氏の動向
黒田 基樹
戦国期桐生領の林産資源と生業
  桐生川流域の林業生産/山田川流域の林業生産と生業複合/八王子丘陵の山林資源
簗瀬 大輔
桐生川内町周辺の城砦
  地域城の研究史的位置/天正期の攻防戦史料/仁田山地域の各城砦群
飯森 康広
桐生城周辺を歩く
飯森 康広
桐生佐野氏に関わる研究史とその史料紹介
  桐生氏研究の展開/桐生佐野氏の成立/桐生佐野氏の発展/桐生佐野氏の没落
須藤  聡

第3回歴史シンポジウム
中世桐生の風景を往く」の記録 巻島  隆
年表 中世の桐生


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