近世地域史研究の模索
「つながり」の視点から

小田原近世史研究会 編
(代表:松尾公就(きみなり)

2022年1月刊
A5判・344頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-86602-127-0 C3021
7400円 (税別)
評者:堀井美里(『加賀藩研究』12  pp19-21  2022.07)評者:藤井明広(『史潮』92  pp106-109  2022.12)評者:松本和明(『地方史研究』422  pp80-81  2023.04)評者:前澤健(『信濃』75-6  pp65-69  2023.06)評者:齊藤紘子(『日本史研究』730  pp65-73  2023.06)評者:小嶋圭(『群馬文化』349  pp80-83  2023.08)
本書は、『交流の社会史−道・川と地域』(2005)、『近世南関東地域史論−駿豆相の視点から』(2011、いずれも岩田書院刊)に続く、小田原近世史研究会の第3論集である。 「本論集では、これまでの論集の成果と当会の研究姿勢を踏まえ、「つながり」をテーマに設定した。人びとのつながりには流通・金融などモノを媒介としたつながり、国学・俳諧・心学など文化や思想を媒介としたつながり、情報伝達や婚姻関係など、多様なものが想定されるとともに、前論集で枠組みとした「駿豆相」の外部からみえる地域性の指摘も可能である。また、人と人がつながることで何かが生まれるその場、その時にこそ、地域性やその形成過程が見出しうる。すなわち、本論集では、一対一の関係も含む人と人とのつながりに着目することで、地域の新たな側面や特質を明らかにする「つながり」の視点から地域史を試みたい。」(本書序章より)
【主要目次】
近世地域史研究の進展のために ―「つながり」の視点から 岡崎佑也
桐生海正
早田旅人
第一章 山を越えた獅子舞
 ―箱根湯立獅子舞の起源をめぐって
下重  清
第二章 「つながり」がつくる報徳仕法
 ―小田原藩・相州諸仕法の変容・展開と地域
早田 旅人
第三章 尊徳仕法の広がりとネットワーク 松尾 公就
第四章 阿波藍商人とつながる人びと
 ―相模国を事例として
岡崎 佑也
第五章 小田原藩領における在村炭仲買の流通ネットワーク
 ―江戸炭薪問屋とのつながりを中心に
桐生 海正
第六章 幕末期小田原地方の地主貸借関係
 ―経営維持をめぐって
荒木 仁朗
第七章 弘化二年、小田原藩主大久保忠愨の領内巡見
椿田有希子
第八章 幕末期の寄場組合大惣代の探索と事件対応
 ―東海道保土ヶ谷宿高橋勘右衛門の事例をもとに
中根  賢
第九章 戊辰戦争期豆相地域における沿岸取締体制
 ―豆相軍監・韮山役所・下田町の動向を中心に
神谷 大介
第十章 鴫立庵と「つながり」をもった俳人の地域的な変化 富田三紗子

ご注文へTOPEへ