近世南関東地域史論
−駿豆相の視点から−

小田原近世史研究会 編


2012年4月刊
A5判・298頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-87294-746-5 C3021
6900円 (税別)
小田真裕氏(『千葉史学』61  2012.11)評者:栗原健一氏(『地方史研究』360  2012.12)評者:小松賢司氏(『関東近世史研究』74  2013.11)評者:千葉真由美(『神奈川地域史研究』31  2014.05)評者:小酒井大悟(『神奈川地域史研究』31  2014.05)
前書『交流の社会史―道・川と地域―』(2005年、小社刊)に続く論集。
「時代的には近世初期から明治初年までを対象とし、相模国・伊豆国の全域に駿河国駿東郡を加えた地域、すなわち駿豆相地域(実質的には小田原藩領とその周辺)の全域もしくは一部を扱い、各執筆者が「駿豆相に固有の地域性」を意識しつつ、個々のテーマについて考察を深め、総体として「新たな地域像」の構築を目指す。」(「あとがき」より)
「これまで近世の南関東を意識していた支配領域を超えて、生活圏・経済圏・物流圏を想定していくことであり、新たなネットワークを再考察していこうとするものである。これによって三か国の地域は、広域的に共存したことになり、南関東の地域への再認識によって、新たな近世史への道を探ろうとするものでもある。(中略)従来の自治体史を中心とした地域論を克服して、新たな枠組みによって地域社会の構成を再編していこうとするものであり、南関東への再認識を目指すものである。」(村上直「発刊にあたって」より)
【主要目次】 
刊行にあたって 村上  直
駿豆相地域という枠組み 荒木仁朗
椿田有希子
中根 賢
               *
鉄砲を持つ百姓と地域防衛
 −小田原藩領の村足軽を事例として−
中西  崇
公金貸付と地域金融
 −江川代官の公金貸付を中心に−
荒木 仁朗
二宮尊徳の出現
 −小田原時代の尊徳と地域・藩政−
早田 旅人
二宮尊徳の窮民救済仕法
 −天保飢饉直後の野州烏山領と駿相州小田原領−
松尾 公就
幕末の台場建設と石材請負人 神谷 大介
薩邸浪士隊の関東擾乱工作と地域の対応
 −幕末の広域治安連携−
中根  賢
幕末期の横浜貿易と茶流通
 −加藤家と駿遠地域の茶商たち−
菊地 悠介
明治初期における足柄県政の成立と展開
 −旧韮山代官所の動向を中心に−
高橋 伸拓
               *
地域史はおもしろい −地域の歴史の捉え方− 下重  清

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