南北朝「内乱」

悪党研究会(あくとうけんきゅうかい)

2018年10月刊
A5判・288頁・上製本・カバー装
ISBN978-4-86602-058-7 C3021
5800円 (税別)
評者:山本隆一朗(『史学雑誌』128-6  pp93-94  2019.06)評者:田中大喜(『日本歴史』868  pp90-93  2020,09)

1988年に、佐藤和彦氏(2006年没)を代表として発足した「悪党研究会」30周年を記念して開催されたシンポジウム「南北朝「内乱」」(2017.6.17)の報告と、それを踏まえた特論7編を収録。『悪党の中世』(1998)『悪党と内乱』(2005)『中世荘園の基層』(2013)いずれも岩田書院)に続く第4論集。
「南北朝期社会の大きな特徴をあげるならば、皇統の分裂にともなう約60年という長期間かつ列島を巻き込む全国内乱に発展したことであろう。しかし、近年の研究で「内乱」それ自体が注目されることはなく、南北朝内乱が室町幕府成立の過渡期的な評価に止まっている場合もみられ、「内乱」という重要かつ深刻な研究課題が欠落しているのではないだろうか。かかる状況を踏まえ、本シンポジウムは、あらためて南北朝内乱の「内乱」という側面に焦点をあて、「内乱」から見通せる社会の実態を明らかにすることを目的として企画されたのである。」(渡邊浩貴・牡丹健一「はしがき」より)

【主要目次】 
 T シンポジウム
十四世紀内乱を考えるために−『太平記』再読− 市沢  哲
楠木一族と南北朝内乱−楠木正儀の地域支配− 廣田 浩治
南北朝期の名主・荘官職相論と守護被官の形成 徳永 裕之
「内乱」の歴史的射程
−シンポジウム「南北朝「内乱」」へのコメント−
佐藤 公美
シンポジウム討論〈要旨〉 司会:櫻井彦
 文責:渡邊浩貴
 
 U 特 論
「太平記」にみる庶民の活計二題−交換と世評− 蔵持 重裕
良慶・大進房・姫鶴女
−正和四年兵庫関悪党事件の背景−
渡邊 浩史
東国武士と南北朝内乱
−武蔵国足立郡三室郷の平氏一族を中心として−
山野龍太郎
紀伊国飯盛城合戦の実像
−六十谷定尚の考察を中心に−
牡丹 健一
建武新政下の宇佐大宮司職相論
−到津公連の評価をめぐって−
徳永健太郎
建武政権・南朝の武力編成と地域社会
−武者所職員の事例から−
渡邊 浩貴
南北朝内乱と悪党・地域秩序・幕府
−伊勢国大国荘を中心に−
小林 一岳

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