オニを迎え祭る人びと 民俗芸能とムラ
御影史学研究会 民俗学論集P

藤原(小山)喜美子著
(園田学園女子大学非常勤講師/1974年生まれ)

2006年10月刊
A5判・240頁・上製本・函入
ISBN4-87294-444-5
5900円 (税別)
播磨地域には「鬼追い(鬼踊り)」行事が濃密に分布している。1月を中心に20数箇所の寺社で行われる。この鬼追いでは僧侶による修正会の法要が修され、その後でいよいよ松明を持ったオニが勇ましく飛び出す。オニは大鬼(親鬼)とともに子鬼がいる。この子鬼というのが寺院ごとに様々な姿をしている。しかも、鬼追いに現れるオニは、人々を脅かすようなオニではない。村の人々に迎えられ、さらに人々から祭られるオニなのである。
本書では、人々がオニをどのように捉え、伝承してきたのかを、播磨を中心に、九州国東半島の事例などを比較しながら考察する。

【収録内容】 
第1章 播磨の鬼追い
第1節 踊る子鬼とその意味
第2節 神積寺の鬼追式に現れる山の神と田原の文殊
第3節 播磨のオニと山
第2章 オニを迎える村
第1節 鬼踊りにオニの果たす役割―赤鬼の伝承と鬼田―
第2節 毘沙門天と藤田氏―兵庫県美嚢郡吉川町を中心に―
第3章 オニを祭る人々
第1節 鬼踊りと修験―播磨の蓮花寺を中心に―
第2節 蓮花寺の護法―蓮生・華童とその意味―
第3節 国東半島の修正鬼会
第4節 大分県宇佐市・鷹栖観音の鬼会
第4章 播磨とオニ
第1節 鬼追いの由来―書写山円教寺の鬼追い会式を支えたひと―
第2節 英賀西村の書写の餅
第3節 魚吹八幡の鬼追い

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