戦国期 印章・印判状の研究


有光 友學 編
横浜国立大学教授/1941年生まれ)


2006年4月刊
A5判・442頁・上製本・カバー装
ISBN4-87294-424-0
8900円 (税別)
「本書は「戦国期における印章・印判状に関する総合的研究」という題目で科学研究費補助金の交付を受けて行った研究活動の成果の一部をまとめたものである。
 戦国期の大名や家臣の発給文書については、個別領国ごとや地域ごとに集積され、その特質などについて注目されて来たが、それらを横断的に比較・検討するといった観点では必ずしも進展したとはいえない状況である。また、この時代になって初めて文書の発給に際して印章が大名などによって使用されるようになったが、そのことについても、大名や地域・時期によってさまざまな偏差がみられるにもかかわらず、総合的に考察した研究は現在のところ生まれているとはいえない。印章の種類やその印文がもつ意味、あるいは印章を使って発給された印判状の比重や機能について明らかにすることは、基礎的作業であるが当該期の研究を押し上げる不可欠の作業である。(中略)
 本共同研究の目的は、戦国期における全国的な印章の使用実態(種類・量・地域的差異など)を明らかにし、印判状の機能を解明することに主眼をおいた。」(「はしがき」より)
【収録内容】 
関東における非北条氏系領主層の印章
市村 高男
戦国大名武田氏の印章・印判状
平山  優
中世の印章と出納文書―諏訪社造営銭徴収システムと武田家の有印文書─
井原今朝男
今川氏の印章・印判状
有光 友學
上杉景勝の権力構造の展開と黒印状
片桐 昭彦
浅井長政の印判状と浅井氏発給文書
宮島 敬一
信長天下布武印と光秀菱形印
立花 京子
豊臣秀次・秀頼の政権と印判状
森田 恭二
四国における印章・印判状
川岡  勉
肥前国における戦国期の印章使用
鈴木 敦子
戦国期島津氏琉球渡海印判状と船頭・迴船衆
福島 金治
近世の惣百姓印―南関東地域の事例収集を中心として─
千葉真由美
戦国期印章・印判状研究文献目録

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