近世東海地域の農耕技術
愛知大学綜合郷土研究所研究叢書R

有薗 正一郎 著
(愛知大学教授/1948年生まれ)


2005年12月刊
A5判・268頁・上製本・函入
ISBN4-87294-412-7
5200円 (税別)
木綿(わた)作にかんする耕作技術や、人力犂の分布・形態・操作法など、近世農書が記述する農耕技術から、地域固有の性格を明らかにする。
併せて、環境と人間とのかかわりから、植生や遊水地などについても論究。
「近世農書に書かれている内容は、長年の農業経験を積んだ著者が「この土地の農耕はこうあってほしい」と望んだ、いわば規範なのですが、一定の労働力が確保できる農家であれば、導入可能な技術が多いので、しばらく時間がたてば、その土地に普及したのです。したがって、農書の技術は「土地に根ざした技術」「在地の技術」なのです。」
(本書「あとがき」より)
【収録内容】 写真・図版93 表22
第1章 近世農書にみる三河国平坦部の耕作技術
第2章 耕作技術の地域性―『農業時の栞』
第3章 木綿耕作法の地域性―『農業日用集』
第4章 木曽三川河口部の水田耕作法―『農稼録』
第5章 飛騨古川盆地の耕作法―『農具揃』
第6章 岐阜県東部で使われていた人力犂
第7章 耕起具の発達過程にみる人力犂
第8章 東アジアの人力犂
第9章 三河国村松家の夏季畑地輪作
第10章 渥美半島の「稲干場」
第11章 近代初頭 奥三河の里山の景観
第12章 豊川下流域の不連続堤と遊水地
第13章 近代初期 伊賀国庶民の日常食
第14章 ヒガンバナの自生地と集落の成立期

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