木綿(わた)作にかんする耕作技術や、人力犂の分布・形態・操作法など、近世農書が記述する農耕技術から、地域固有の性格を明らかにする。
併せて、環境と人間とのかかわりから、植生や遊水地などについても論究。
「近世農書に書かれている内容は、長年の農業経験を積んだ著者が「この土地の農耕はこうあってほしい」と望んだ、いわば規範なのですが、一定の労働力が確保できる農家であれば、導入可能な技術が多いので、しばらく時間がたてば、その土地に普及したのです。したがって、農書の技術は「土地に根ざした技術」「在地の技術」なのです。」
(本書「あとがき」より)
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