推古朝と聖徳太子 


森田 悌 著
(群馬大学教授/1941年生まれ)

2005年8月刊
ISBN4-87294-391-0
B6判・236頁・並製本・カバー装

2800円
「6世紀末から7世紀前半にかけての推古朝が、日本古代における大きな分水嶺の位置を占めているという観点から、本書は論述を行っている。
 第1章では、推古朝が直面した課題の由因である社会構造の変化と、朝鮮・任那問題について略述し、第2章では、推古女帝の即位事情と厩戸皇子、聖徳太子の朝廷内での地位や活動について論じ、第3章で、推古朝の政治改革や、天皇号・朝鮮問題への対処をみ、第4章で、推古朝を特色づける仏教について、その伝来および厩戸皇子の関与を検討し、第5章で、近年説かれるようになっている聖徳太子虚構説の批判を行っている。(中略)
 この時代の最大の指導者となると、蘇我馬子とともに…聖徳太子であるが、…近年においては、推古朝遺文を称される一連の史料はもとより『日本書紀』の関連記述も捏造とされ、聖徳太子を架空の人物とする所見が説かれ、ジャーナリズムの一部にこれを当然視する風潮が見受けられる。しかし学問的見地からすれば、誠に奇妙な所見といわざるを得ず、本書ではこれを訂すことを一の目的としている。」(本書「はしがき」より)
【主要目次】
 
第1章 六世紀朝廷の課題
  社会の変化/朝鮮半島問題
第2章 推古女帝の即位と厩戸皇子
  推古女帝の即位/厩戸皇子の執政/
  斑鳩宮の造営/上宮王家の経済的基盤
第3章 推古朝の政治改革
  冠位十二階と十七条憲法/天皇号の創出/
  朝鮮半島を巡る外交の展開
第4章 仏教と推古朝
  仏教の伝来/厩戸皇子と仏教
第5章 聖徳太子と厩戸皇子
 
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