平家と福原京の時代
岩田書院ブックレット 歴史考古学系 H-01

歴史資料ネットワーク(史料ネット)編(代表:奥村弘)

2005年5月刊 
IISBN4-87294-379-1
A5判・140頁・並製本

1600円
 シンポジウム「平家と福原京の時代−楠・荒田町遺跡の評価をめぐって−」の報告集。
「2003年、神戸市中央区楠町の神戸大学医学部附属病院構内において、平氏時代の二重壕および櫓跡と推定された遺構の発掘があった。…
 遺構を含む地域一帯は、清盛の福原山荘が所在し、1180年6月には安徳天皇以下の行幸があり、いわゆる福原京が構想された由緒ある場所である。
 当該遺構の性格を究明するためには、この地域の歴史を、総合的に明らかにする必要がある。このためシンポジウムでは、先立って発掘が進んでいた、医学部附属病院の北、およそ600mのところにある祇園遺跡(兵庫区平野上祇園町)の発掘成果も、積極的に組みこむことにした。同遺跡は、清盛の山荘との関連も云々される極めて重要な遺跡である。
 シンポジウム当日(2004年1月)は、二重壕調査などの中心になった岡田章一、祇園遺跡発掘の中心であった須藤宏の両氏からの報告に加え、日本史学の元木泰雄氏と高橋昌明が、福原遷都の歴史的意味と福原における平家の邸宅の具体像について、さらに今日の『平家物語』研究を牽引する佐伯真一氏が、文学研究の立場より見た福原遷都について報告した。シンポジウムは、遺構を破壊から守る文化財保存運動の一環として、企画・実施されたが、たんに保存を訴える場にとどままらず、考古学・文献史学・日本文学の最新・最高の知見を結集した、本格的な研究集会であった。…」(高橋昌明:本書より)

歴史資料ネットワーク(史料ネット)は、阪神淡路大震災直後の被災地での、若手研究者や史料館博物館の館員や歴史研究者などによる、歴史資料の保全活動から生まれた団体です。


【主要目次】
  
本書を読まれる皆様へ                       奥村  弘
本シンポジウムのねらいと構成                  高橋 昌明

楠・荒田町遺跡の調査                       岡田 章一
本皇居・新内裏の位置と祇園遺跡                須藤  宏
福原遷都をめぐる政情                       元木 泰雄
福原の平家邸宅について                     高橋 昌明
文学から見た福原遷都                       佐伯 真一

討 論
「楠・荒田町遺跡」保存運動の経緯と本書出版にいたる経過  
                                     松下 正和


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