海港場 横浜の民俗文化

岸上興一郎著
(横浜市ふるさと歴史財団嘱託 学芸員/1942年生まれ)

2005年3月刊
A5判・306頁・上製本・カバー装
ISBN4-87294-361-9
6900円

横浜中華街を形成した華僑の先人たちの墓地「中華義荘」や、墓地内に建つ地蔵王廟をとおして見た葬送儀礼。横浜に居留したフランス人ジェラールによって製造された西洋瓦が、明治の土蔵新築に使われた経緯―。その一方で、旧横浜村に伝わる海の文化、漁撈文化についても、『新編 武蔵風土記稿』や、明治生まれの留吉老人からの聞き書きから再現する。
そして、附論では、相撲・人力車・天然氷などの、横浜の発達側面史を記す。

【主要目次】

第1部 海の向こうから来た民族文化
第1章 横浜の南京墓地 中華義荘
     山手外国人墓地の南京人墓/通商章程第二款/中華義荘/
     葬列/回葬

第2章 地蔵王廟と木主  中華義荘と中華会館/安霊堂と安骨堂/
     木主/改葬

第3章 土蔵と西洋瓦−徳江義治家史料をとおして−
 土蔵新築史料発見の契機/ジェラール棟瓦一本十銭/瓦購入の伝承

第2部 横浜の海の文化史
第1章 横浜の海−新編武蔵風土記稿の世界−
〈資料編〉橘樹郡の海/久良岐郡の海
〈試論編〉川・浦・浜/台町・二番坂・能見堂/山頂の松/「言」文字の極
      印船/浦高札・浦役・浜名主/漁師・漁村/網漁法/海鼠・鯛
      /塩・薪/船玉・浦島・蛭子/海中出現の本尊/地震・津波・
      高波

第2章 留吉老人の唄−横浜柴の漁撈文化−
     留吉老人の唄/武山不動尊信仰/柴ちょうの漁師/船/船神様
     /網の中には鯛 ・鮃・車海老/ハヤテナライ/横須賀港/榎戸
     の叶屋/金沢の塩
第3章 開港によって生まれ変わったムラ−南区堀ノ内−
     堀ノ内の位置と石高/村名・町名・村界・町界・字名/長屋/
     堀割川/女坂とダイナマイト/共進会

附 論 横浜の民俗誌
     今も連綿とつづく海の祭り・丘の祭り/相撲の話/人力車の話/
     天然氷の話

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