近世武士の生活と意識
「添田儀左衛門日記」―天和期の江戸と弘前―

浪川 健治編
(筑波大学大学院助教授/1953年生まれ)

2004年10月刊 
ISBN4-87294-342-2
A5判・332頁・上製本・函入

8900円

弘前市立図書館蔵「添田儀左衛門日記」の研究と、全文の翻刻。添田氏は津軽家の譜代家臣ではないが、儀左衛門(元禄14年没)の代になって、藩主の側近として活躍し、次代には江戸家老・国家老へと職をすすめることとなる。本史料は、藩士個人の目で記録したもので、5代将軍綱吉の初政にあたる江戸での幕藩関係の展開や、藩士としての職務のありかたのみならず、江戸における地方武士の生活や町の様子を風聞まで含め、生き生きと知ることができ、さらに、弘前藩4代藩主津軽信政の国許への下向に随行することで、藩政の確立が進む国許での状況も知ることができる。本書は、筑波大学大学院の近世史ゼミ(編者担当)で、本史料を教材としてとりあげた成果で、第1部「研究編」は、そこでの報告を深化させた論文である。
【主要目次】
  
「添田儀左衛門日記」について───────浪川 健治
第1部 研究編
上野東叡山における弘前藩津軽家廟所祭祀の確立過程───────山澤 学
弘前藩江戸藩邸をめぐる町人訴訟の実態───────阿部 綾子
―天和期を中心に―
近世前・中期の弘前八幡宮祭礼にみる弘前町人町の特質───────渡辺 康代
天和期の藩政と「添田儀左衛門日記」───────浪川 健治
―天和二年十一月七日条をめぐって―
第2部 添田儀左衛門日記
延宝9年(1681 天和元年)5月から天和3年(1683)3月まで、約2年間の日記
・江戸詰日記(延宝9年5月1日〜天和2年5月3日)
・道中日記 (天和2年5月4日〜20日)
・国許日記 (天和2年5月21日〜天和3年3月20日)
津軽家 人物相関図/索引(人名・地名)
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