津軽の歴史と文化を知る
The Formation of Tsugaru Identity

北原 かな子
郭 南燕編

2004年6月刊 
ISBN4-87294-330-9
A5判・142頁・並製本・カバー装

2000円
品切れ

ニュージーランド・オタゴ大学と津軽地方の研究者を中心とした、日中米英4か国6人による共同研究の日本語版。「国民国家と地方主義」の解明を目指し、津軽地方を研究フィールドとして、南北半球を越えて交流を深めた研究者たちが、歴史・文学・音楽・工芸の側面から津軽を語る。(なお、英語版はオタゴ大学出版会から刊行

【主要目次】
一体の像から−大浦光信像と津軽氏−──長谷川成一
弘前藩主津軽氏の祖「大浦光信」像と伝えられる像高50cmの若武者像から、津軽氏の先祖顕彰がもつ歴史的意義、及び津軽地方のアイデンティティについて論じる。
明治初期津軽地方のキリスト教文化受容──北原かな子
キリスト教などの西洋文化受容を展開し、津軽の近代化に貢献した私学東奥義塾を通じて、津軽地方の独自性や地方文化と国民国家の相互関係について論じる。
津軽の地方主義と国民国家日本──河西 英通
大正期から昭和にかけての津軽の諸論説を読み解き、東北日本のもつ多元的な空間性と複雑な地域性から、津軽のアイデンティティや地方主義を論じる。
長部日出雄の文学−津軽の独自性と普遍性との間−──郭  南燕
津軽出身の現代作家 長部日出雄の代表作を分析し、その中に表れた津軽の位置づけの検討を通して、長部文学、および地方主義とナショナリズムを論じる。
津軽三味線−地方と国家、そして国際的空間を行き交うものとして−──H.ジョンソン
新しく発明された伝統音楽である津軽三味線が、地方と国家、そして時には国際的空間も含むという枠組みの中で、どのようなアイデンティティを持ち、いかに郷土に溶け込んでいったのかを論じる。
津軽塗−地方工芸に対する国家の保護−──A.ラウシュ
三百年以上の歴史を持ち、日常消費品でありながら高級性を合わせ持つ津軽塗の二面的価値に注目し、保護(パトロンネイジ)形態をめぐる地方と国家の関係性を論じる。
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