奄美 加計呂麻島のノロ祭祀

松原 武実著
(鹿児島国際大学短期大学部教授/1948年生まれ)


2004年3月刊 
ISBN4-87294-321-X

B5判・486頁・上製本・函入

9900円
本書は、鹿児島県大島郡瀬戸内町に属する加計呂麻島・請島・与路島の全33の有人集落のノロ祭祀と、それに関連する諸行事や遺跡・遺構に関する調査報告である。
ノロ祭祀は、奄美・沖縄諸島で、女性(神女)によって行われる村落祭祀で、藩政時代は薩摩藩の政策により弾圧ないしは抑圧を受け、明治以降は近代化の波に洗われた。そして戦後は、高度成長による急激な過疎化に見舞われ、すでに、ほとんどのノロ祭祀が消滅した。
本書の企図するところは、ノロ祭祀とそれに関連する諸行事を経験したムラ人たちが健在のうちに、彼等からその体験や記憶を聞き取る作業を悉皆的に行なうことによって、
@ノロ祭祀の変貌・衰退・消滅の具体的過程をムラ人たちの証言によって描く、
A彼等の記憶の範囲にあると思われる幕末から明治にかけての祭祀の姿を明らかにする、という2点にある。
【主要目次】
第1部 ムラ別ノロ祭祀の状況
実久/芝/薩川/瀬武/阿多地/須子茂/嘉入/
木慈/武名/知之浦/三浦/俵/瀬相 /西阿室/
花富/伊子茂/於斉/勢里/佐知克/呑之浦/
押角/秋徳/野見山/勝能/ 諸数/生間/渡連/
安脚場/諸鈍/徳浜/請阿室/池地/与路
各集落ごとに、集落周辺図、集落詳細図(同解説)、写真(2ページ、平均16点)、
ノロ祭祀の実情(概観、祭場と聖跡、神役、神祭、ノロ祭祀の周辺、など)を記述。
第2部 ムラの成り立ちとノロ祭祀
実久三次郎の幻影と四十人組
排斥される神々−西阿室のノロ祭祀−
於斉の永代氏子とシマダテガナシ
諸鈍におけるグリャバラ・ナングモリバラの闘争とアヤガメ伝説
ご注文へ