野本寛一著作集@
山地母源論1 日向山峡のムラから

野本 寛一著
(近畿大学教授/1937年生まれ)


2004年5月刊 
ISBN4-87294-320-1

A5判・648頁・上製本・函入

14800円

日向山峡のムラの焼畑・狩猟を中心とする民俗世界を描く。
個人誌と主題別調査の渾然としたなかに、多彩で豊かな山の母源力・潜在力を生かした暮らし、いろいろな生業要素の複合による暮らしを描く。
柳田國男の『後狩詞記』が描いた椎葉村の世界からの飛翔…。 (著作集第T期:全5巻)
【主要目次】
序説(個人誌と民俗学/古層の民俗文化クラスター/「後狩詞記」からの飛翔/ほか)
T「個人誌」−山の人生と生業−
浜砂久義さんの半生から(銀鏡谷へ古穴手へ/原生林木おろし型焼畑の体験/換金作物と ソノ/狩猟の体験と伝承/採集と渓流魚撈/屋根葺きの民俗/戦争とイエの継承/手力 様のイエを守る/訃報)
尾前新太郎さんの半生から(生いたちのころ/稗トーベの話/山地空間と焼畑の種類/焼 畑の儀礼/激動の時代を生きる/稗の脱孚と精白/焼畑・定畑の作物伝承/採集と渓流 魚撈/シイタケと牛馬/水無の年中行事/神楽の夜/昭和49年の日記から)
U 生 業
焼畑と定畑(原生林の木おろし/焼畑の火入れ/焼畑と定畑の作物/焼畑輪作から見える もの/自然暦と口誦/「さんいちづくり」など)
狩猟(狩猟の体験と伝承/狩猟のカミガミ/猪捕獲・解体時の儀礼/猪解体/猪とマムシ /猪肉の食法/分配の民俗/コウザキ信仰の基層/修験系狩猟神事とその基層)採集/渓流漁撈/昆虫食と採蜜/山の母源力と生業要素の複合
V 山びとの環境観
クエの痕・クエの伝承/人と木と森との共生/セコボーズの象徴性/渓流魚撈怪異伝説/ニタ山の神の話/神楽と森・山
W 椎葉民俗拾遺
物流と峠越え/年中行事(正月行事)/人生儀礼(出産)/民謡
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